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「すみません」が口癖になっている人の特徴

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「すみません」という言葉は、一般的には謝罪の気持ちを伝えるときに使用されます。しかし、それが口癖になっている人は、自分を卑下して他者とのコミュニケーションがうまく取れない場合があります。今回は「すみません」が口癖になっている人の心理やその対処方法を解説します。

メンタルヘルス:「すみません」が口癖になっている人の特徴

「すみません」という言葉を皆さまはどのような時に使われますか。一般的には相手に謝罪の気持ちを伝えるときに使用することが多いと思います。今回は「すみません」が口癖になっている人の心理やその対処方法を解説します。

悪いことはしてないのに反射的に「すみません」と口にしてしまうことはないですか。謝り癖は、責任の所在を明確にしなければならない場面で、うやむやにしてしまう可能性が高くなります。不必要な謝罪は、従順な人という印象を与えてしまい、相手に都合よく利用されてしまうこともあるかもしれません。そして、過剰な謝罪は自尊心を傷つけることにも繋がります。うまくいかなかったことをすべて自分の責任とし、自分を責めてしまうからです。また、「すみません」の本来の重みを無くしてしまうことにもなります。

謝り癖がある人の特徴

「すみません」が口癖の人の心理と特徴を挙げていきます。

①発言に自信がない

謝り癖は突発的な状況でよく使われる傾向にあります。発言に自信がないと、緊張して早くその場から去りたいという気持ちが、謝り癖にも繋がります。自己効力感を高めていくことも大切でしょう。

②断れない性格である

断れないことからのストレスがたまり不平不満をため込んでしまうという悪循環に陥ってしまう場合があります。他者に自分の気持ちを伝えることは、仕事においても大切なスキルです。コミュニケーション技法の中にアサーションというものがあります。これは自分も相手も大切にする自己表現といわれているものです。興味がある方は、以前のコラム(円滑な人間関係を保つ方法)でもご紹介しておりますのでご覧ください。

③マイナス思考が強く自己評価が低い性格

発言したことを否定されるのではないかとの恐怖心から、相手がそう思っているかどうか分からない状況でも先に謝ってしまう場合がよくみられます。

④土地柄使用してしまう

地域によっては「相手からこんなによくしてもらって、このままだでは自分の気持ちが満足しない」という意味で使われている場合もあります。地域や育ってきた環境によっては、「すみません」が、ネガティブな言葉ではないこともあります。

メンタルヘルスコラム:謝り癖を減らす方法

謝り癖を減らす方法

状況に合わせ、適切な言葉を選択できることが重要です。
謝り癖は幼少期からの経験がもとになることが大半といわれ、変えることが難しいのが現状です。

〇「すみません」と言った理由を考えてみる

たとえクッション言葉として使用していたとしても、ネガティブなイメージを抱くものです。
不必要な謝り癖を治したい人は、「すみません」と言ったらその理由を考えてみると良いでしょう。
自問自答を繰り返しているうちに、本物の謝罪と不必要な謝罪を区別できるようになり、不適切な「すみません」を連続して使うことも無くなります。
具体的には、「自分は本当に相手に謝罪したかったのだろうか」という質問を自分自身に問いかけます。

〇「すみません」を「ありがとう」に置き換える

「ありがとう」に置き換えることで、ネガティブな印象からポジティブな印象に変化させることができます。相手の立場にたって考えたときにも、謝罪よりも感謝される方がずっと気持ちが良いはずです。
相手が良いことをしてくれ時は、自分がそれをしなかったことを謝るのではなく感謝の気持ちを表現することが良いでしょう。

無意識のうちに、「すみません」という言葉が口癖になっていることもあるかもしれません。そのときは家族や友人など、自分が信頼できる親しい人に口癖をチェックしてもらうと良いでしょう。具体的な方法としては、自分の話し方のパターンをチェックし、不適切な「すみません」を含んだ会話をした場合、その会話中の5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)を書き出してみます。会話の相手が誰なのか、不適切な「すみません」を含んだ会話になった理由はなんだったのか検討してみてください。例えば、もめ事を避けたかったからなのか、それとも誰かをなだめようとしたのかなどです。謝罪することになる事態が起こったときの状況や周りの環境を整理して、何が謝り癖の原因になっているのかを確認してみましょう。おのずと、本来使われるはずだった適切な言葉がでてくるはずです。
大切なことは、自分を卑下して他者とのコミュニケーションがうまく取れないことを避けることです。これを機会に自身のコミュニケーションの取り方を振り返ってみてはいかがでしょうか。


著者:塩入 裕亮
精神保健福祉士
医療法人社団 平成医会 「平成かぐらクリニック」 リワーク専任講師


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