メンタルヘルスの医療法人社団 平成医会
トップ コラム ストレスチェック報告書の記入と労基署への提出方法

ストレスチェック報告書の記入と労基署への提出方法

  • ストレスチェック
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、ストレスチェックの高ストレス者医師面接指導を行った後、ストレスチェックと面接指導の実施状況について、所轄の労働基準監督署に報告する必要があります。 労働基準監督署への報告は、1年以内ごとに1回行うことが会社としての義務になります。提出漏れや記載不備がないよう注意しましょう。

ストレスチェックコラム:ストレスチェック報告書の記入と労基署への提出方法

ストレスチェック報告書の取り扱いについて

報告書の提出時期は、各事業場における年度の終了後など、事業場ごとに設定することが可能です。しかし前述の通り、前年度も報告をしている事業場は、前回の提出から1年以内でなければなりません。
提出期限を忘れないためにも、予めストレスチェックの実施にあたっては、衛生委員会等で労働基準監督署への報告書提出時期を決め、できるだけ毎年固定の時期に提出することをお勧めします。
また、やむを得ない理由で提出時期が遅れそうな場合は、予め所轄の労働基準監督署に相談しましょう。

提出が必要なストレスチェック報告書の正式名称は「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」です。
厚労省のホームページから、書式をダウンロードすることができます。
厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書様式」

書式を印刷する際には、白色度80%以上のA4普通紙を使い、印刷した用紙のコピーは使用しないようにして下さい。
また裏面(2枚目)には記入にあたっての備考が記載されています。よく読んでから、記入を進めていきましょう。
尚、提出が必要なのは表面(1枚目)の情報なので、裏面は印刷しなくても差し支えありません。

ストレスチェックコラム:心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書

報告書の具体的な記入方法

報告書には、主に以下の事項を記入します。

・検査実施年月
ストレスチェックを複数月に亘って行った場合は、「検査実施年月」欄には最終月を記入します。また部署ごとに時期を分けて行うなど、年間を通じてストレスチェックを行っている場合は、報告日に最も近い実施年月を記入します。
年に複数回ストレスチェックを行っている場合は、そのうち1回分についてのみ報告し、都度報告する必要はありません。

・事業の種類
事業場が該当する日本標準産業分類の中分類を記入します。

・在籍労働者数
ストレスチェックの実施義務があり報告書の提出が必要な事業場としては、「常時50人以上の労働者を使用する事業者」で、パートタイム労働者や、派遣先の派遣労働者も含めた労働者の数を数えます。これは、産業医の選任義務が発生する事業場の定義と同様です。
一方で、「在籍労働者」欄には、ストレスチェックを実施した月の末日現在で、ストレスチェックの実施義務の対象となっている者の数を記載する必要がある(1週間の所定労働時間が、通常の労働者の3/4未満のパートタイム労働者や、派遣先における派遣労働者は含めない)ことに、注意が必要です。

・検査を実施した者、面接指導を実施した医師
該当する医師が2名以上になる場合は「代表者」について記入します。

・産業医
「産業医の氏名」の欄は、企業と契約した産業医の氏名を明記することが必要です。外部にストレスチェックを委託した場合にも、報告書の産業医欄には「自社と契約した産業医」の氏名を明記してください。
尚、労働安全衛生規則やじん肺法施行規則などの改正により、2020年8月28日以降、「産業医の捺印」は不要となりました。
厚生労働省基発0828第1号「じん肺法施行規則等の一部を改正する省令の施行について」

「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」の具体的な記入例は、以下をご参照ください。
東京労働局王子労働基準監督署「ストレスチェックと面接指導結果の報告をお願いします」

ストレスチェックコラム:報告書は事業所の所在地を管轄する労働基準監督署へ

報告書は事業所の所在地を管轄する労働基準監督署へ

報告書の記入が完了したら、所轄の労働基準監督署に提出します。
直接提出が難しい場合は、郵送でも提出が可能です。
監督署の受付印が押印された報告書の控えがほしい場合は、コピーと切手を貼り付けた返信用封筒を同封すると、後日控えを返送してもらうことができます。

事業所ごとにストレスチェックを行った場合、それぞれ事業所の所轄の労働基準監督署に報告書の提出が必要となるため、本社でまとめて提出することはできません。

報告書はなるべく速やかに提出しましょう

労働基準監督署へストレスチェック実施の報告を怠った場合、労働安全衛生法(第120条)により50万円以下の罰則金の支払い義務が課されます。これはストレスチェックをしなかったこと自体の罰則ではなく、労働基準監督署への報告をしていないことへの罰則です。
ストレスチェックを実施した後は、速やかに報告書を提出しましょう。

平成医会は、専任担当者がストレスチェック報告書の記入から報告方法まで、細やかに企業担当者をサポートいたします。お困りのことがありましたらお気軽にお声がけください。


著者:長谷川 大輔
精神科専門医
医療法人社団 平成医会
産業医統括責任者


当コンテンツの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
コラムについてのご質問やご意見は、メールでお寄せください。お電話でのお問い合わせは恐れ入りますがご遠慮ください。