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メンタルヘルスとその実践

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メンタルヘルスケアの実践ーセルフケア

心身の健康を保持していくことは働くうえで欠かせません。この記事では、まずストレスとはどういうものかを知り、どのようにそれに向き合い、対処してしていくことができるのか、ご説明します。

セルフケア

皆さまは、健康の為に気をつけていることが何かありますか。多くの人が、風邪を引かないことや怪我をしないことなど「健康」を目にみえる形で思い浮かべたのではないでしょうか。
しかし、健康な状態とは身体だけではなく、心身ともに健全な状態でなくてはなりません。
どのように心身の健康を保持していけば良いのでしょうか。

「セルフケア」という言葉をご存じでしょうか。セルフケアは、労働者自ら心の健康の保持増進のために行う活動のことで、自分のストレスに気づくこと、ストレスをケアすること、ストレスやメンタルヘルスについて知識を持ち正しく理解すること、自発的に周囲に相談することなどが挙げられます。そもそも、ストレスとはどのようなものなのでしょうか。ストレスを簡単に言うと「刺激を受けた時に生じる、心や体の歪み」です。正確には、その原因となる刺激や出来事をストレッサーといい、ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じた様々な反応をストレス反応と言います。ストレッサーには、対人関係、睡眠不足、騒音、病気など様々なものがあります。

ストレスには「良いストレス」と「悪いストレス」があるといわれています。ストレスと聞くと、悪いものですべて解消しないといけないと思いがちですが、一概にそうとは言い切れません。実は、暑い・寒いという環境条件や、会社・学校・近所付き合いなどの人間関係のように、私たちが生きていく上で、必然的に出くわしたり、起こったりしている出来事や状態でもストレスを受けているのです。夢、目標、スポーツ、よりよい人間関係など、向上心を奮い立たせてくれたり、励みとなったり、自分の人生を生きていく上で成長の原動力となるような適度な刺激、すなわち「良いストレス」は人間に必要なのです。仕事を任された時や何か新しい事にチャレンジする時、それを「良いストレス」と捉える事ができるようになりたいものです。

軽い運動はメンタルヘルスに役立つ

ストレスへの対処法

次に、自宅や職場でも簡単にできるストレスを解消するためのリラックス法についてお話しいたします。多くの人は、趣味などで自然とストレスを解消できているのですが、ストレスが溜まっている時には忙しく趣味などに時間を割くことが難しくなります。

ここで、仕事中でもできる簡単なリラックス法をいくつかご紹介いたします。
今回ご紹介するのは、筋弛緩法という方法で、筋肉を緊張させたあとに一気に脱力して緊張をほぐしていくというものです。

(肩の力を抜く)
1、力を抜いてゆっくり呼吸
2、両肩を持ち上げて力を入れる
3、10秒数えたら肩の力をストンと抜いて、肩から背中にかけての筋肉が緩んでいくのを感じとります
(腕の力を抜く)
1、力を抜いてゆっくり呼吸
2、両腕を肩の高さで前に伸ばして握りこぶしを作り。こぶしを固く握り、腕に力をいれます
3、10秒数えたら、手の先から肩まで力を一気に抜きます

また、メンタルヘルスには、デスク周りやパソコンのデータの整理も有効です。
例えば、机の上に置くものは最小限にすることや名刺の整理、無造作にデスクトップに保存されたフォルダを整理することなどもおすすめです。頭がスッキリして気分転換にもなります。

ストレスの解消法は、人によって異なりますが、軽い運動は心身の健康に良い影響を与えるためおすすめです。ウォーキングやスイミング、ヨガ、自宅でのストレッチを毎日行うこともストレス軽減には効果的です。
また、バランスの良い食事と適切な睡眠時間を確保することで、日々の疲れは解消されます。当たり前のことと思いがちかもしれませんが、生活習慣を見直ことは、メンタルヘルスの維持にも繋がります。
デスク周りの整理はメンタルヘルスに役立つ

ストレスとの上手な向き合い方

それでは、ストレスへの対処法をご紹介したところであわせてお伝えしたいのが、ストレスに対する上手な向き合い方です。
ストレスへの上手な向き合い方としては、1.「物事の受け止めかたのクセ」に気づく、2.ネガティブではなく、柔軟で合理的に物事を考えてみること、この2点が重要です。
例えば、朝上司に挨拶をしたが返答がなかった場合、皆さんはどのように考えますか?
そこで、自分も他人を否定せず、聞こえなかったのではないかと考えることができた方はいらっしゃるでしょうか。このように、ストレスそのものに対する考え方や感じ方を変えようとするストレス対処法を、情動焦点コーピングといいます。

しかし、時には「逃げないといけないストレス」もあります。心身が病気になりそうなストレス、解消できないストレスに長期間さらされると、自分の脳がダメージを受ける可能性もあるので、不眠、食欲不振、体重減少、意欲低下などの症状が表れる前にストップをかけられる勇気が必要でしょう。

最後に、メンタルヘルスにおけるセルフケアの一番のポイントは、前述した通り、自分自身を知ることです。メンタルヘルスを維持するためには、ストレスが溜まった時のサインに気づくことが重要です。サインは人によってもさまざまです。仕事が忙しい日々が続くと、帰宅してからも些細なことでイライラしてしまったり、周りの人に過度にあたってしまう人もいます。または、悲観的になったり、涙もろくなったりする人もいるかもしれません。
まずは、自分自身のサインを知り、そのサインを見逃さないことが重要です。サインが現れたときには、あなたにあった方法でストレスを解消してあげられるよう、できるだけ多くのストレス対処法を身につけておいてください。きっと、その中のいずれかがマッチングしてくれるはずです。


著者:塩入 裕亮
精神保健福祉士
医療法人社団 平成医会 「平成かぐらクリニック」 リワーク専任講師


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