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心配性を克服する5つのヒント

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人の性格は、真面目、楽観的、大雑把、誠実など様々ありますが、その中でも「心配性」の度合いが過ぎると、心身共に疲弊してしまいます。今回は、ストレスを抱えやすい心配性を克服するヒントをお伝えいたします。

メンタルヘルス:心配性を克服する5つのヒント

人の性格は、真面目、楽観的、大雑把、誠実など様々です。
その中でも「心配性」は人間の本能の一つです。心配するから危険を事前に察知して避けることもできます。心配すること自体は正常な心理なのですが、心配の度合いが過ぎると、心身共に疲弊してしまいます。
心配性の人の特徴は、ストレスを抱えやすくネガティブになりがちな点です。今回は、心配性を克服するヒントをお伝えいたします。

「心配性」を克服する第一歩

① 人を信頼することで過剰な心配が少なくなる

人を信頼することができれば、心配は少し減ります。相手の考えていることをすべて理解することはできません。自分のことをどう思っているのかと不安になることもあるでしょう。しかし、これは考えても答えのでないことです。そこで、相手を信頼するという方向へ考え方をシフトさせていくことが重要です。

② ネガティブ思考からポジティブ思考へ

心配性の人は、ネガティブ思考であることがほとんどです。その対策としては、上手くいったシーンをイメージすることや表情を意識的に明るくすること、前向きな言葉を口に出すことなどが挙げられます。自己暗示にも近いですが、これらを日々心がけるだけで自然とポジティブに考えることができます。不安や心配ごとがある際には、「自分なら大丈夫」とつぶやくだけでも、心は落ち着くものです。

③ 心配な理由を冷静に考え受容する

自分が心配性であるということを自覚することです。心配性な自分を受け入れて、一つの心配ごとに対して掘り下げてみてください。さらに、そこに少しでも良いので、ポジティブな要素を足していくことが大切です。

④ 心配ごとをすべて紙に書き出して評価する

不安に思っていることを具体的に書き出してみると良いでしょう。そして、それらは心配に足ることか、心配してもしょうがないことなのか価値を見極めることです。
心配に足ることとは、心配することで結果がよくなることです。ここではこれを「前向きな心配」と呼ぶことにします。自身では、コントロールできないものにはバツ印をつけて見える化してみると気持ちがスッキリとすることもあります。

⑤ 不確定な状況を受け入れる

人はなぜ心配するのかというと、先に何が起こるかわからないからです。もしかしたら大きな地震が起きるかもしれないと思うと、地震に備えて水や備蓄食料などの防災用品を揃えておきます。防災用品を備えて、どこから逃げるか、家族とどこで落ち合うかということを相談できていれば、もう十分です。
この先に何が起こるかわからない不確定な状況は、生きていく上ではつきものですので、どんなに心配しても未来の不安は消えないのです。
そこで、未来ではなく、「今」にフォーカスしてみることをお勧めします。すなわち、自分が楽しい、充実している、幸せだと感じるために今の自分にできることを考えるのです。

心配性というのは決して悪い性質ではありません。より慎重に、より完璧に生きることができるのですが、同時にストレスも多く抱えてしまいます。
先述したように、心配性の人の多くは、考えても仕方のないことを不安に思ってしまいがちです。考え方次第で行動が変わり、仕事の効率も上がりますし、パフォーマンスも良くなります。心配性で悩んでいる方は、一度冷静になって自分を見つめ直す時間を作ってみてください。

メンタルヘルス:心配性が日本人に多い理由

日本人に心配性な人が多い理由

不安遺伝子には、S型とL型があるといわれています。

S型…内向性性格遺伝子
不安や恐怖を感じやすいネガティブな人が多い。慎重で先を見越した行動ができる。

L型…外向性性格遺伝子
将来の不安よりも自分がしたいことを楽しみたいポジティブな人が多い。度胸があり幸福感を得やすい。

不安遺伝子は、これらが2つセットになり、各々の型に分かれており、SS型、SL型、LL型の3種類に分かれます。どの型に生まれるのかは、人種が大きく関係しているといわれ、アジア人はL型の保有率が低いことがわかっています。その中でも、日本人のL型保有率(SL型を含む)は3割程しかいないとの統計があり、ほとんどの日本人がSS型かSL型の持ち主になるのです。
つまり、程度の差はいくらかあるかもしれませんが、日本人は生まれながらにして多くの人が心配性ということにもなります。

日本人は心配性な方が遺伝的にも多いようです。そのため、生まれつき過度なストレスを受けやすい性質の人も存在します。
自分のペースで無理をせずに、他人と比較しすぎないことも大切です。少しずつ実践していくだけでも、気づいた時には変われていることも多々あります。そして、ポジティブな考え方が習慣になり、少しだけ心配性から離れることができるかもしれません。

ただし、日常生活を送るのに支障があるほど不安や心配でたまらないという場合には、治療が必要な可能性もあります。どうしても心配ごとが続いて不安が解消できない場合には、最寄りの精神科や心療内科を受診することも検討してみてください。


著者:伊藤 直
精神科専門医
医療法人社団 平成医会「平成かぐらクリニック」院長
一般社団法人 健康職場推進機構 理事長


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