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メンタルヘルスの意義と重要性

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企業としてメンタルヘルスケアに取り組む

職場のメンタルヘルス対策の重要性が年々増加している中で、経営層から一般社員までの全員がその重要性を理解する必要があります。
この記事では、企業としてメンタルヘルスケアに取り組む意義とそのメリットについてご説明します。

女性社員が上司と職場環境やメンタルヘルスについて話し合っている

メンタルヘルスの意義

会社や家庭等あらゆる場面において、主要な役割を担っているのが働き盛り世代です。職業生活におけるストレス等の原因の第一位は、職場の人間関係の問題となっています。(「平成24年労働者健康状況調査」(厚生労働省))
また、業務による心理的負荷が原因で精神障害を発症、あるいは自殺したとして労災認定が行われる事案が近年増加し、社会的にも関心を集めています。
自殺者総数が2万人を超えているなかで、労働者の自殺者数も7千人前後で推移しており、職場のメンタルヘルス対策の重要性が年々増加しています。

メンタルヘルスケアの意義は、以下の3つが挙げられます。
①労働者の心の健康保持増進
全従業員がメンタルヘルスの基礎知識を持つことで、自分自身や他のスタッフのメンタルの不調に気付きやすくなります。また、不調が起きたときの対応も適切になるため、従業員全体の心身の健康を保持しやすくなります。
②事業場の健康リスクマネジメント
適切なメンタルヘルスケア対策を行うことで、従業員のうつ病あるいはストレスに起因した心疾患、脳疾患などを未然に防止し、休職や離職する従業員の数を減らすことができます。
③職場の活性化と生産性の向上
仕事のパフォーマンスは、人の心が前向きで意欲的な状態のときに上がります。メンタルヘルスケア対策を行うことで、従業員の心身が安定し、結果として生産性が上がり業績の向上に繋がることも期待できます。

このように、メンタルヘルスケア対策の実施にあたっては、経営層から一般社員までの全員がその重要性を理解する必要があります。
全従業員の理解を得るためには、トップメッセージとして表明するなど経営層が率先してメンタルヘルス対策を推進することが望ましいと言えます。
会社としてメンタルヘルスの取り組みを行っていることは、対外的にも企業のイメージアップにも繋がります。

さらに、衛生委員会の活用による労使の参加や産業医等からの助言や支援もメンタルヘルス向上には効果的です。衛生委員会のメンバーを通じて現場からの意見、アイデアを収集することで、より実態に即した対策が可能となります。また、産業医に参加してもらうことで、専門的な対策が可能となります。
弊会では、企業ごとに専任担当者をお付けして、衛生委員会の立ち上げからサポートさせていただきます。従業員数に関わらず、産業医サポートをお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。

メンタルヘルス対策に取り組む

ここで、厚生労働省が推奨している、4つのメンタルヘルス対策をご紹介いたします。

①セルフケア
従業員が自分自身で行うケアを指します。
ストレスやメンタルヘルスを正しく理解し学ぶことで、自らのストレスに気付き予防対処することがある程度可能になります。
また、ストレスチェックによる判定や、弊会が独自に開発した生活習慣による心の乱れや性格傾向のアドバイスを受けることのできるライフリサーチテストで、自身の心身の状況を把握することも有効です。
② ラインによるケア
部下を持つ管理監督者が行うケアのことを指します。
管理職は日ごろから部下の悩みなどの相談に応じながら、必要に応じて情報提供や産業医との面談を勧めることが大切です。
また、職場に目を配り部下の異変に早期に気付いて症状が軽い段階での対処やメンタル不調の部下の職場復帰への支援も重要です。
弊会では、管理職向けのラインケアセミナーも実施しております。
③ 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
50名以上の従業員がいる事業場には産業医の選任義務があります。
専門的な知識を持つ産業保健スタッフと人事総務部門のスタッフなどが連携して、現場からの情報を専門知識から解釈し企業内のメンタルヘルス対策の企画立案を行います。
④ 事業場外資源によるケア
メンタルヘルスケアには専門知識が必要なため、専門的な機関のアドバイスを取り入れたほうが安全かつ効果的です。
産業医にもそれぞれ専門があるため精神科や心療内科以外の先生だと、メンタル領域の対応ができないという場合があります。
事業場内の産業保健スタッフと外部の専門機関の協力体制を取ることで、より効果的な施策を実施することが可能になります。
メンタルヘルスケアは従業員と会社にとってメリットがある

企業としてメンタルヘルスケアに取り組む重要性

先述した通り、企業がメンタルヘルスケア対策に積極的に取り組むことは、従業員個人を支援するという観点からも、企業の生産性を向上させるという観点からも多くのメリットがあります。今後、働く人と組織におけるメンタルヘルスの課題はより複雑化するでしょう。そのため、労働者自身がストレスに気づき、対処法を身に付け実践することが、メンタルヘルスケア対策の基本であり、企業が従業員にその機会を与え、メンタル不調者を未然に防ぐ仕組みづくりが必要です。よりよい職場環境への第一歩として、メンタルヘルス対策を検討されてみてはいかがでしょうか。企業がメンタルヘルス対策に取り組む姿勢こそが、従業員のワークエンゲージメントの増進に繋がると考えます。


著者:長谷川 大輔
精神科専門医
医療法人社団 平成医会
産業医統括責任者


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