トップ コラム タイプ別に対処が必要な頭痛

タイプ別に対処が必要な頭痛

  • 未選択
「頭痛」は誰もが一度は経験したことのある症状です。 定期的に頭痛が起こるけれど、痛み止めを飲んで、なんとなくやり過ごしている、そのような人はいらっしゃいませんか。症状が出ている時には、病院に行くのも辛いけれど、痛みが消えてしまえば、原因について考えることは少ないかと思います。 頭痛が起こる原因には、脳の病気のよるものから、明らかな原因がわからないもの、ストレスによるものまで様々です。今回は頭痛について解説します。

メンタルヘルスコラム:タイプ別に対処が必要な頭痛

頭痛にはどのようなものがあるか

頭痛とは、字の通り、頭部に感じる痛みのことです。頭痛には明らかな原因となる病気はないのに頭痛を繰り返す一次性頭痛(慢性頭痛)と、脳や頭の病気などが原因で起こる二次性頭痛があります。
一次性頭痛には、片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛などがあります。
一方で、二次性頭痛の原因となる病気には、突然激しい頭痛が起こるくも膜下出血、高熱を伴う頭痛を起こす髄膜炎、頭痛の強さが数週間の間に急速に進行する脳腫瘍など、見逃したり、治療が遅れることで命に関わる危険なものもあります。
今までに経験したことがないような頭痛が起きた場合や、痛みが強くなった場合は、危険な病気の可能性もあるので、なるべく早めに医療機関へ行くことをおすすめします。必要に応じてCTやMRIの検査が行われます。

頭痛の多くは慢性頭痛

日本で慢性頭痛を抱えている人は、4,000万人に上るとも言われており、3~4人に1人は慢性頭痛に悩まされているということになります。
慢性頭痛にはいくつかのタイプがあります。それぞれ特徴があり、対処法や治療法も異なっていますので、1つずつみていきます。

緊張性頭痛

慢性頭痛の中で最も多いのが「緊張性頭痛」です。日本では2,000万人もの患者がいると言われています。
緊張性頭痛は、かつては「ストレス頭痛」と呼ばれており、ストレスと密接に関わっています。子どもから大人まで、男性女性に関係なくみられ、夕方や就業時間頃に起こることが多いようです。
症状としては、頭の両側か頭全体、後頭部が、ギューッと締め付けられるような痛みや頭重感が現れます。光や音に過敏になることもありますが、吐き気や嘔吐はあまりみられず、体を動かした際に痛みが悪化することもありません。痛みの強さは軽度~中程度で、寝込んでしまうような日常生活に支障が出ることは少ないようです。
緊張性頭痛は、頭から首や肩にかけての筋肉の緊張によって、痛みを感じる神経が刺激されることで起こると考えられています。その原因として、運転などの長時間の同一姿勢・デスクワークによる悪い姿勢・就寝時の枕が合わない・運動不足などの生活習慣による身体的ストレスの影響が大きいと言われています。
上記のような身体的ストレスに、家庭や仕事でのトラブルや人間関係の悩み等の社会的ストレスや精神的ストレスが引き金となり、頭痛が起こりやすくなると言われています。
身体的ストレスに対しては、定期的なストレッチや運動、入浴などで身体の循環を良くしたり、良い姿勢を保持することが効果的です。社会的ストレスや精神的ストレスに対しては、原因を回避することが最も確実な方法ですが、実際には避けることができないストレス要因が多いと思います。そのため、原因を回避するのではなく、自分にあったストレス解消の方法を見つけるなど、ストレスと上手に付き合っていく方法(ストレスマネジメント)を考えるのが良いでしょう。
メンタルヘルスコラム:頭痛の多くは慢性頭痛

片頭痛

片頭痛は、頭の片側(または両側)の血管が脈打つようにズキズキと痛むタイプの頭痛です。頭痛は4~72時間ほど持続し、体を動かしたり入浴したりすると悪化するのが特徴です。ひどくなると、吐き気や嘔吐を伴うことがあり、光・音に敏感になる等の症状があります。痛みは強く、日常生活が妨げられることもあります。片頭痛が起こる前には、視野がチカチカするなどの前兆が現れることがあります。
はっきりとした原因は分かっていませんが、2つの説があります。1つ目の説はストレスなどの刺激が誘因となり、三叉神経の刺激によって脳血管の拡張や炎症が発生していくため、2つ目の説はセロトニンという脳内物質の増加で脳血管が拡張するために起こる頭痛と考えられています。
片頭痛は20~40歳代の女性に多く、日本では800万人ほどいるとされ、月経時やその前後に発症するケースも多くみられます。女性ホルモンの影響で妊娠中は、一時的に片頭痛が起こりにくくなります。
片頭痛は冷やすことが効果的であり、ストレスから解放された時に起こりやすいという特徴もあります。
自身で頭痛との因果関係がはっきりしている特定の食べ物の摂取を控えたり、ストレスマネジメントをすることで、片頭痛の起こりやすい状況を避けることも有効です。
最近は片頭痛専門の治療薬として、トリプタン製剤というものがあります。片頭痛が強くなった時には通常の鎮痛薬では効果が乏しいため、トリプタン製剤が使われます。トリプタン製剤の服用に関しては専門医の診療を受ける必要があります。

群発頭痛

群発頭痛は、ある一定の期間、ほぼ毎日明け方の決まった時間に起こる激しい頭痛です。痛みは1~2時間ほど続きます。片目の奥や側頭部に激痛を感じ、目の充血やまぶたの垂れ下がりや腫れ、鼻水・鼻づまりなどの症状を伴います。片頭痛とは対照的に、群発頭痛は20~30歳代の男性に圧倒的に多い特徴があり、患者は日本で10万人ほどです。
群発期には予防薬を使用したり、発作時の治療はトリプタン製剤の皮下注射を行うことがあります。

上記の3タイプの頭痛以外にも、薬の使い過ぎによる頭痛が120~240万人もいると言われています。
また、中には緊張型頭痛と片頭痛の混合型の頭痛を抱えている人もいます。

専門家に相談することが大切

頭痛という同じ症状であっても、タイプによって対処法や治療法が異なります。誤った対処法によって、症状が悪化してしまうこともあるため、タイプの見極めは重要です。
頭痛に悩んでいる人は、一度は受診することをお勧めします。
受診にあたっては、ご自身の頭痛について医師に説明できるように事前に記録しておくことが良いでしょう。
いつ頃から、どのような頻度で頭痛が起きているのか、どのくらいの時間、どのような痛みが続くのか、きっかけとなる出来事があったか等。なるべく具体的に伝えることで、医師の診療もスムーズになります。

今回は頭痛について解説しました。
ご自身の頭痛について理解を深め、少しでも辛い症状が軽減できるように日常生活を送っていければ良いと思います。


著者:金子 綾香
保健師
医療法人社団 平成医会


当コンテンツの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。