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ソーシャルサポートとリフレーミング

  • メンタルヘルス
皆さまは、周りにどれだけ自分のことを支えてくれている人がいるのか考えたことはありますか。また、自身の捉え方が偏ってしまっているなと感じたことはありませんか。視点を変えることで、ポジティブな気持ちにも、ネガティブな気持ちにもなることができるのです。 今回は、「ソーシャルサポート」と「リフレーミング」という言葉をキーワードに解説いたします。

メンタルヘルスとソーシャルサポート

様々な役割を持つ「ソーシャルサポート」

「ソーシャルサポート」とは、社会的関係の中でやりとりされる支援のことをいいます。また、その内容によってソーシャルサポートを以下のように分けることができます。
〇情緒的サポート:愛情、共感、配慮、信頼など、人と人との情緒的な結びつきによる支援(愚痴を聞く、慰めるなど)
〇道具的サポート:労力を提供するような直接的な行為による支援(仕事を手伝うなど)
〇情報的サポート:必要な情報やアドバイス、専門的な知識を伝えるなど情報提供による支援(どこに行けば必要な情報を得られるか、教えるなど)
〇評価的サポート:その人の考えや行動への評価基準を提供することによる支援(適切なフィードバックをする、その人の考えや行動が社会的な善悪、正しいかどうかを評価する)

「ソーシャルサポート」のメリットとは?

実証研究によると、「ソーシャルサポート」が、ストレスのネガティブな影響を減らすことができるということが明らかになっています。特に、親友を持つことはストレスに対処するための資源として役立つことが証明されています。
一般に他者から受けられる援助に対して期待値が大きい人ほど、健康であるといわれています。広い人間関係を築いておくことで、 多様なサポートを得ることができます。その結果、多くの人と関わることで、それまで自分では気付かなかった視点を得ることができます。それが問題解決につながることもあるのです。つまり、ストレスの対処や軽減方法には、自分以外の人の力も大きく影響しているのです。
皆さまもこれを機会に、これまで築いてきた人間関係を見直してみてはいかがでしょうか。
また、自分自身が誰にとってのソーシャルサポートになっているのかを考えてみるのもいいのかもしれませんね。
自身のソーシャルサポートを知ることができた後には、自身の考え方、物の捉え方を振り返ってみましょう。
メンタルヘルスとリフレ―ミング

今、持っている枠組(フレーム)を変えるということ

「考え方が大事」、「発想を変えることは大切」ということを、ご存知の方も多いと思います。では、具体的にどのような事を行えば良いのでしょうか。そのヒントになるのが、「リフレーミング」という考え方になります。
リフレーミングとは、物事をある枠組み(フレーム)で捉えられている場合に、その枠組みを外して、別の枠組みで捉えなおすことです。ある物事を今の見方とは違った角度で見ることで、その意味を意図的に変化させることを言います。枠組み(フレーム)は、私たちの認識に影響を与え、ひいては感情や気分、また意味づけや思考や行動に影響を与えています。
リフレーミングとは、意味を変えるために、「その人が持っている枠組(フレーム)を変えること」です。

具体的なリフレーミング例

ビジネスにおけるリフレーミングの例としては、アフリカのある国に市場調査に行った靴メーカーの2人の社員の話が有名です。その国では、靴を履く文化がなく、全ての人が裸足でした。その光景を見た1人の社員は「この国では、靴は全く売れないだろう」と会社に報告し、もう1人の社員は「この国は可能性のある市場であり、靴を履く文化を醸成することさえできれば、非常に大きな市場になる」と報告したという話です。つまり、「小規模だから出来ない」を「小規模だからできることがあるのではないか」、「田舎だからビジネスにならない」を「田舎だから、まだ大手が見逃している市場が多くある」に発想を転換させたのです。
このように、同じ体験をしても、人それぞれの「価値観」という枠組み(フレーム)で判断するので、ある人にとっては、良い出来事にとらえることができ、別の人にとっては最悪の出来事にもなります。そのため、その人が持っている色眼鏡の傾向を意識的に変化させることで、これまでの偏った自分の考えを変えて、選択肢を広げることに繋がります。それは、どんな出来事でも、どの枠組み(フレーム)に収まるかで意味が変わってくるということです。

「自分はダメだ」と何かに行き詰ってしまった時には、自分自身に対してリフレーミングを行ってみてください。まずは、自身の考え方の癖や傾向を知ることが大切です。ちょっとした発想の転換や自分を受け入れてあげることで、気持ちが楽になることもあります。リフレーミングを意識してみることで、否定的な事しか考えていない部分に、新たな肯定的な事実が見え、新たな自分に気づくことができるかもしれません。


著者:塩入 裕亮
精神保健福祉士
医療法人社団 平成医会 「平成かぐらクリニック」 リワーク専任講師


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